Joker

 

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映画ジョーカー観ました。

アメコミのバットマンシリーズで圧倒的にインパクトある悪役ジョーカー。

今作は、そのジョーカーがいかにして生まれたかを描いています。

 

孤独なアーサーは母の介護をしながら大道芸の仕事で生計を立てている。

生活は苦しく持病もあるが、いつかコメディアンになることを夢見て生きている。

しかし理不尽な出来事や不運から心はどんどん病み、悪の道へ・・・

 

アメコミの映画はあまり観ていないのですが、バットマンのシリーズは観ています。

ジョーカーと言えばバットマンの宿敵であり、今まで演じてきた役者は、

ジャック・ニコルソンヒース・レジャー・・・など、それぞれ素晴らしく

個性的で凄みあるジョーカーに驚かされてきました。

今回演じるのはホアキン・フェニックス。彼はまた一味違ったジョーカー。

 

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以下、ネタバレ内容が出てきますので、知りたくない方はスルーして下さいね。

 

 

 

私はどちらかというと、ジョーカーというより、アーサーの物語として観ました。

確かに舞台はゴッサムシティで子供時代のブルース・ウェイン(=バットマン)も

登場しているのですが、格差社会、差別、暴動、社会情勢の悪化などなど、

今の社会問題にリアルにオーバーラップするというか。

酷い目に遭うたび、心の糸がぷつん、ぷつんと切れていく彼の姿があまりにも

悲しくて痛い。

脳の損傷の後遺症から、可笑しくもない場面でいきなり笑い出してしまう障害から

彼の笑い声が悲痛な叫びに聞こえてきて・・・

(映画終了後も耳に残ってしまいました)

 

八方ふさがりの中、地下鉄で人に絡まれてついに護身用の銃を発砲。

一線を越えてしまいました。

それをきっかけに、どんどん狂気に陥っていく。

絶望しつつ殺人を犯しながら、どこか解放感も味わうような奇妙な姿となった

アーサーを演じるホアキンが巧い。

 

TVの生放送にゲストとして呼ばれ、憧れの司会者(ロバート・デ・ニーロが演じてます)まで

撃ち殺してしまった後は、社会に不満を持つ群集にカリスマとして一気に祭り上げられていく。

人々を笑顔で楽しませたいというささやかな望みがどうしてこうなってしまったのか

気が滅入りました。

 

バットマンの世界のジョーカーは、人を翻弄する、何をしでかすか分からない得体の知れなさというイメージがあったので、アーサー版では純粋さゆえの狂気、ある意味真面目さともいうか、そのあたりが一味違うと感じた理由かもしれません。

ひょっとして、本物のジョーカーはアーサーに感化された暴徒の中から後に生まれたのでは?と思ったりしましたから。

 

そしてもう一つ。アーサーには妄想癖があるのですね。

これ、映画の中で明らかにこの部分は妄想と分かる場面があり、悲しくなりましたが、

中には妄想なのか現実なのか区別が付かない場面も多々あり。

故に解釈も様々で、全て病院に入れられた彼が語る妄想物語とする説まで!

なるほどこれもありかと思いつつも、そうなるとバットマン自身の物語までアーサーの

妄想となってしまう?

私は絶望したアーサーが冷蔵庫の中に入った場面が印象深く、自殺しようとした?と

その時は思ったものの、後々考えるとそれ以後を冷蔵庫内で死に行く彼の妄想と

考えることもできるし・・・鑑賞者の解釈に委ねる映画ですね。

 

とにかく万人にはお薦めできないけど、独特な衝撃作ではあります。

過去の映画「タクシー・トライバー」「キング・オブ・コメディ」を参考にしている

そうで、チャプリンの映画も引用され、悲劇と喜劇について語られます。

「スマイル」と言う曲が流れて何とも言えないんだな・・・