下書きしたままアップしていない状態でした。
今年のアカデミー賞、何部門が受賞してましたね。
授賞式ではまたいろいろあったようですが、そこはひとまず置いておいて。
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もう上映時間が少なくなってて、一旦諦めてましたが、何とか行ける時間帯になり
観に行きました。
「哀れなるものたち」
自ら命を絶った若き女性ベラは、天才外科医ゴドウィン・バクスターによって胎児の脳を移植されたことで奇跡的に蘇生する。世界を自分の目で見たい、という欲望に駆られたベラは、放浪者の弁護士ダンカンに誘われるまま壮大な大陸横断の冒険に繰り出していく。子どもの目線で世界を見つめる彼女は、旅のなかで平等と自由を知り、時代の偏見から解き放たれ、驚くべき成長を遂げる(映画館サイトより)
いやー、これはまたケッタイな。強烈な作品でした。
わずかな事前情報から何となく女性版のフランケンシュタイン物語?と想像していて、
年齢制限ありなので、それなりの描写はあるのかなと思っていたら、かなりビックリでした(汗)
でも結構長尺ながら最後まで睡魔に襲われることなく観てしまいましたね。
以下、ネタバレありです。
冒頭の謎めいた飛び降りシーン、カラーからモノクロの画面へ。
ゴドウィン役のウィリアム・デフォーの顔面がまた強烈(良いです!)
彼が作り上げたベラは脳と体がうまく繋がっていない状態で動きもぎこちない。
大人の体に胎児の脳を移植しているのですから、歪なのは当然。
周りの大人たちも手を焼いてしまいますが、ゴドウィンはベラを溺愛しているので
勝手に婚約者を選び、二人を手元にずっと置いておきたい。
それが下心を持った弁護士の登場で、彼と駆け落ち&冒険の旅に繰り出すことに。
モノクロの世界がだんだん彩られていきます。
奔放でとにかく好奇心旺盛。倫理観も何もなく自分のやりたいことに貪欲に突っ走るベラに翻弄されながらもメロメロになってしまう弁護士をマーク・ラファロが演じていて、これまた上手い。いやな奴なのに、ボロボロになっていく様はちょっと可哀想な気も(笑)
船上で出会うマダムが良いなぁ。彼女に影響されて本を読むことを覚え、知識を得てどんどん変化し、抑圧を撥ね付けて成長していくのです。
弁護士と別れ、パリで自活をする・・・その方法は迷いがなくまた驚かされるのですが、数奇な運命をたどる女性の人生として最後まで目が離せませんでした。
人生を終えようとしているゴドウィンの元に戻り、自分の出自を知った後、選択した道は? これは・・・やはりハッピーエンドですよね? (ヤギは気の毒)
結局「哀れなるものたち」とは一体? 観ている時は愚かな男性たちのことかなと思ったけど、原題が「poor things」と言うことは?
エンドタイトルの画面をボーっと見つめながら、あっ、そういうことかも?と腑に落ちたような(違ってるかも) 古今東西、昔も今も・・・ですかね。
性的な場面が多すぎてドン引きしながらも、意外といやらしくはないのは子供の無邪気さがあるからかな。
ベラ役のエマ・ストーンは演技をやり切っていて凄いな~と思いました。
とにかく美術、衣装が素晴らしく、独特な世界観でアートしていましたね。
手術とかグロい場面もあるし、人にお勧めするのはちょっと躊躇しますが(笑)
ベラが従来のフランケンシュタインのようにツギハギだったら?
女性の監督が撮っていたら?とかもチラッと考えたりしました。
とにかく観終わった後、いろいろ考えてしまう映画です。