猫画家の映画

アップしたい記事がどんどん溜まってて・・・

GWが近いし、やることも多く焦ります!

 

とりあえず、こちらを。

 

ルイス・ウェイン 生涯愛した妻と猫」

君とネコとの思い出が、永遠に僕を守ってくれる。猫を描き続けた画家の数奇な人生を彩る、優しく暖かい愛の物語。
ネコをモチーフにしたイラストで大人気を集めたイギリスの画家ルイス・ウェイン。同時代の夏目漱石吾輩は猫である』作中にもルイス画のネコが印刷された絵葉書の描写が登場している。
イギリスの上流階級に生まれ、父亡きあと一家を支えるためにイラストレーターとして活躍するルイス。

妹の家庭教師エミリーと恋におちた彼は、大反対する周囲の声を押し切り結婚するが、まもなくエミリーは末期ガンを宣告される。庭に迷い込んだ子猫にピーターと名付け、エミリーのために彼の絵を描き始めるルイス。深い絆で結ばれた“3人”は、残された一日一日を慈しむように大切に過ごしてゆくが──。

(映画館サイトより)

 

ルイス・ウェインという画家、猫の絵をたくさん描いたということは知ってましたが

彼の人生までは知らなかったので、大変興味深く鑑賞。

猫好きにとっては見逃せない作品!

以下、ネタバレあり。

 

 

19世紀から20世紀に活躍したということで、当時のイギリスの様子がよく分かります。上流階級ではあるけど父の死によってイラストで家族を支える一風変わったルイス。

たくさんの妹がいて、大きな屋敷には男性が彼一人!

妹たちのために雇った家庭教師との恋は、身分違いと言われるのが悲しいですね。

お互いの結びつきが強く年齢差も乗り越えて結婚したのは、心の奥深いところにあるトラウマ(はっきりとは描かれてませんが)の共感性もあるのかもしれません。

そんな二人の幸せな日々があっけなく終わろうとは・・・。

でもここで猫のピーターに出会ったのは幸運でした。

病床の妻を喜ばせようと描いた猫の絵が彼の人生を大きく変えることになります。

最愛の妻を失った悲しみを埋めるようにどんどん描き、それが大ヒット。

擬人化された猫が新聞の紙面を大きく飾り、人々を楽しませるのです。

その頃は猫って気にも留められない存在。それが人々の興味を引き、ペットとして可愛がられる存在となっていく。同時に猫絵が流行し、時代のトレンドに。

今考えると、ルイス・ウェインのおかげなんですね~。

 

でも困ったことに彼がビジネスの知識・能力がなかったというか、どんなに売れても

版権、著作権のことを知らなかったために収入が少ない。

彼にはしっかりしたマネージャー的な人物が必要だったのですね。

なかなか結婚できない妹たちを抱えて困窮し、愛猫ピーターまで亡くしてしまい、あまりに辛い日々。

心機一転アメリカに渡って仕事をするも、母の危篤でイギリスに帰国。戦争も起こり、

次第に忘れられた彼は精神的に不安定にもなり、結局病院に入れられてしまう。

そこで寂しい日々を送っていたルイスはある人物に見つけられ、良い環境の終の棲家に移ることが出来るのです。

そこには猫もいる!   妻の遺した言葉と共に最後は穏やかで幸せだったのでしょう。

(うーん、やはり猫のいる施設がいいなぁ・・・などと終活を考えたりして。)

 

相変わらずこういう役をやらせたらバッチリはまるルイス役のベネディクト・カンバーバッチ。ちょうどエジソンの時代ということで、電気を意識した台詞も多く、以前主役を演じた「エジソンズ・ゲーム」と重なりました。

年を取った老人の演技がまた本当におじいちゃん!って感じで芸達者ぶりを発揮。

そして普段絵も描くということで、描くシーンも違和感なし。両手で同時に描く場面はビックリでしたけど(笑)   ルイス本人、実際こんな感じだったのでしょう。

もう少し、絵を見せて欲しいなぁ・・・と思っていたら、最後のエンドロールでたっぷり。

ルイスの画集などはあまり出てないので、まとまったものを観てみたいところです。

知的な妻役のクレア・フォイも好演。クレジットでオリビア・コールマンの名前を見つけ、ナレーション担当だったのか~と。トビー・ジョーンズも出演していて、先日観た「エンパイア・オブ・ライト」の二人だわ!とニンマリ。

 

ルイスの人生は辛いことも多かったけど、エミリー、そして猫との出会いは運命だったと思います。

まるで絵画の中に入り込んだような美しい映像もあり、猫好き、絵画好きな方にはおすすめです。白黒の子猫がたまりませんでした!