世界中に新型コロナウィルスが広まり、ますます大変なことになりました。
早く収まって欲しいけど、長期戦になりそうで不安な毎日。
日本はまだ外出禁止まではなってませんが、とにかく気を付けるしかないですね。
公の施設も少しずつ開館。
映画館はずっとガラガラ状態・・・でも少し客足が戻ってきたのかな。
空いているし空調システムもあり大丈夫そうなので、ちょっと観てきました。
「ミッドサマー」
家族を不慮の事故で失ったダニーは、大学で民俗学を研究する恋人や友人とともに
スウェーデンの奥地で開かれる"90年に一度の祝祭"を訪れる。
美しい花々が咲き乱れ、太陽が沈まないその村は、優しい住人が陽気に歌い踊る楽園のように思えた。
しかし、次第に不穏な空気が漂い始め、ダニーの心はかき乱されていく。妄想、トラウマ、不安、恐怖・・・それは想像を絶する悪夢の始まりだった。
気になりつつも怖そうな作品なので迷いに迷い・・・結局「ショック療法」的に?
思い切って観ちゃいましたが、いやはやこれは何とも。
普段、映画を観に行くときは、予告編や簡単な紹介くらいしか情報を入れないようにしていて、今回のもそれらから大体のことは想像していました。
でも、想像以上に強烈でした。ストーリー展開はよくある感じ。
美しい北欧の村、白夜で明るい風景の中~どんどん不穏になる、鬱になる・・・
マスクしたまま鑑賞したのが拍車をかけたのか、まるで苦行のようなことに。
観終わった後、一目散に自転車をこいで逃げ帰りました(笑)
そんなわけで、人にはおススメできないこの作品。
一体私は何を観てしまったのでしょうか???
以下、ネタバレ箇所あり。
北欧の白夜とか風習だとか興味はあり、昨年の大河ドラマ「いだてん」で
メイポールダンスなんていうのも出てきたので、どんなものかと。
この映画ではメイクイーン(女王)を決めるダンスとして女性たちが輪になって踊る、
盛り上がる?場面でした。
しかしかなりのバッドトリップ感。あやしい飲み物を飲んで(ドラッグ)参加した
ダニーは次第に高揚感と参加者たちとの連帯感を覚え、結局メイクイーンに。
外来者の彼女がホルガ村の女王となってしまうのですが、彼女にはとんでもないことが
待ち受けていたのです。
とにかくこの村、一見美しく平和的なのに、どこかおかしい。
次々と衝撃的な儀式が!
いきなり最初から長老たちの儀式・・・なんとこの村では72歳になると自ら
人生を終えるのです。男女二人の儀式はあまりにもショッキング。
しかも一人は映画「ベニスに死す」のタジオを演じた俳優ですよ!
なんてことを~!と、この時点で眩暈が。
明るい光景の中のグロ描写についていけなくて、以後は怖そうな場面が出てくると
目を伏せるか薄目で見てました。おかげで字幕を読めず、よくわからないシーン続出。
ダニーたちもあまりのことにパニック。
でも村人たちには長年続いている風習であり、生命のサイクルとして当たり前のこと。
そして祝祭が進むにつれ、村の伝統に敬意を払わないダニーの仲間たちが一つずつ
姿を消していくのです(予想通り)
クライマックスの儀式に向けて着々と整う準備・・・
カルト的で狂気とも思えますが、それは此方側の思うことであり、
ホルガ村の住人たちにとっては愛する村の大切なものであり、彼らの無邪気な
笑顔(怖い)にどう反応していいやら。
主人公のダニーと同じく、こんな表情になってしまう~。
この映画では彼女と恋人クリスチャンとの関係が重要なポイントです。
常に不安定なダニー、それが鬱陶しくもありながらズルズルと付き合っていた彼は
ホルガ村でまさかこんなことになろうとは思わなかったでしょう。
そしてずっとクリスチャンに頼っていたダニーは・・・?
彼らをこの祝祭に誘ったホルガ村出身のペレという存在も気になります。
果たしてペレは最初から友人たちを帰さないつもりで計画していたのか。
薄目で観ていたため、見逃しも多く、結局いろいろ気になることがいくつも。
ネットで調べたりしています(笑)
グロシーンは苦手ですが、衣装とか可愛いのですよ。
劇中登場するタペストリーや絵。
アウトサイダーアートのヘンリー・ダーガーみたいでアブナイです。
ルーン文字や花々が蠢くシーン、村へと車が走る場面では天地逆転する不安定さなど
美術的にはとても興味深いものがありました。
とにかく美しくて怖くてキモくて(ちょっと笑うシーンもあるし)
かなり混乱する映画。多分二度とは観ないと思うけど。
先日、チューリップ畑に行って撮った写真を明るさ調整したら
ミッドサマーっぽくなってしまいました。ヤバい、既にとりつかれてるかも。