パラサイト!

f:id:yun7neco:20200219234802j:plain

映画日記が続きます~。

先日、アカデミー賞で他部門受賞した作品、「パラサイト 半地下の家族」を観てきました。

韓国の映画を観るのは久々かも。

かなり強烈でした!

 

全員失業中、"半地下住宅"で暮らす貧しいキム一家。

長男ギウは、"高台の豪邸"で暮らす裕福なパク氏の家へ家庭教師の面接を受けに行くが・・・。

この相反する2つの家族の出会いは、次第に想像を遥かに超える物語へと

加速していく・・・。(映画チラシより)

 

上映回数が少なくなってきていたので慌てて劇場に行くと、満員御礼。

その後、一気に上映回数が増えたようです。

さすがのアカデミー賞効果。

 

格差社会を描いた映画は近年とても多く、世界共通な問題だと痛感します。

日本では「万引き家族」がカンヌ映画祭パルムドール受賞しましたよね。

同じアジア映画だからか、ちょっと似たような印象もありますが、

描き方はまた違う今作。

 

ネタバレ厳禁の映画なので、今回も以下は気になる方はスルーしてくださいね。

 

 

 

 

半地下は薄暗く、キム家の暮らしは何とも不衛生。

ひょんなことから長男ギウがIT会社社長パクの家でその娘の家庭教師をすることに。

やがてキムの娘ギジョンがパク家の息子に美術セラピーを・・・。

どんどんエスカレートして、あの手この手でキムは運転手、妻は家政婦としてパク家に入り込むことに成功。

これ、全員身分を偽っていて、彼らが家族ということも秘密なんです。

 

こんなにトントン拍子にうまくいくのも不思議なんですが、パク社長の妻も何だか

おっとりというか(笑)  気づかないんですよね。

キムの一家はズルいことをして入り込みながらも、運転手や家政婦、家庭教師と

きちんとこなせるだけあるスキルがある。

これは韓国社会では能力が高くてもなかなか職に就けない、半地下から這い上がれないということを表しているようです。

 

パク家に寄生(パラサイト)して、留守中にはキム一家が豪邸に集まり勝手に大宴会。

いやいや、これはマズいでしょう・・・と思っていたら案の定。

とんでもないことが起こります!

前任の家政婦さん(キム一家が追い出しました)が訪ねてくるところから急展開。

この豪邸の地下には大きな秘密があったのです~。

 

ここから一段と物語がスピードアップ。

頭では「なるほど、そういうことだったか」と理解しながらも、呆気にとられてしまって・・・。

パク一家が外出を切り上げて帰ってくることになり、さあ大変!

緊張が高まるシーンが連続し、何が何やら・・・の状態でラストへ。

 

ここまで目の離せない展開になるとは、ポン・ジュノ監督の手腕が光ってますね。

演出、舞台装置、小道具の使い方、暗喩・・・と、細やかな部分まで効果を

発揮していて、うまい!と思いました。

「階段」や「雨」などを使って格差をくっきりと描いてます。

あと、「におい」がキーポイント。

 

正直、キムが最後にどうなるかは途中で先が読めたし、登場人物の誰にも共感は

抱けない点はありました。(「万引き家族」で安藤サクラが演じたような人物や各キャラクターの切なさは感じなかったので)

登場人物については、あえてそう設定しているのかもしれませんが。

 

最初は社会派ブラックコメディのような感覚で観ていたら、突然サスペンス?

ホラー?のようになり、エンターティンメントとして面白いながらも、

怖さやどうしようもない悲しさも感じ、結局もやもやとしたものを抱きながら

劇場を後にする・・・そんな怪作だった気がします。

いろいろな要素が詰め込まれ、混とんとした感じは、

そう、劇中で登場したチャパグリ(映画では「ジャージャー麺」となってました)

みたいですね。

 

どんな味か気になっていたら、ネットではレシピまで出てました!

f:id:yun7neco:20200220031430j:plain

このインスタント麺ともう一つ、チャパゲティというのを混ぜて作るそうです。

でもお店ではノグリの方しか見つけられず。

また探してみます。

 

f:id:yun7neco:20200220031711j:plain

こちらのイメージポスターも雰囲気があって良いですね。

ギウが友人から譲ってもらった山水景石が描かれてます。

この石もまた象徴的な意味があると思います。

全てここから始まったんだな・・・。