２０２０年に入って、観たい映画が目白押し。
早く観に行かないと、すぐ上映が終わってしまいそうで焦ります。
とにかく行けるタイミングで・・・!
観てきました、ジョジョ・ラビット!
第二次世界大戦中のドイツが舞台です。
ナチスの時代を主人公の少年目線で物語が進む、
コメディ＆ファンタジー風味な映画。
第二次世界大戦下のドイツ。
１０歳の少年ジョジョは、空想上の友達であるアドルフ・ヒトラーの助けを借りて
青少年集団ヒトラーユーゲントの立派な兵士になろうと奮闘していた。
しかし心優しいジョジョは訓練でウサギを殺すことができず、教官から
「ジョジョ・ラビット」という不名誉なあだ名をつけられる。
そんな中、ジョジョは母親と二人で暮らす家の隠し部屋にユダヤ人少女エルサが
匿われていることに気づく。やがてジョジョは皮肉屋のアドルフの目を気にしながらも
強く勇敢なエルサに惹かれていく。(映画チラシより)
近年ますます制作されているようで、これもナショナリズムの台頭という
現代の危うさからかと感じていますが、描き方も様々。
以前観た「帰ってきたヒトラー」、これはブラックコメディ的で
ヒトラーが現代にタイムスリップしてやってきたら?というもの。
風刺が効いた佳作ながら、ゾクリと怖くて笑えない、そんな映画でした。
さて今回のジョジョ・ラビット。
こちらにも出てきます、ヒトラー。
でも何だか子供っぽい? それはもちろん、主人公のイマジナリー・フレンド、
空想の産物だから。実際のヒトラーとしては出てきません。
あくまで少年が心に描くイメージとしてのヒトラーなんです。
こんな感じ。
以下、ネタバレ注意です。
映画冒頭から何とビートルズの曲がかかります。
そして当時のドイツ市民の熱狂する映像。そう、ヒトラーに熱狂してるのです。
まるでアイドルに嵌まるように。
ここからちょっと毛色の変わった映画ということが分かります。
ヒトラーユーゲントの訓練も何だか楽しいキャンプのよう。
しかし、思いがけない事故で負傷。訓練から外され、簡単な仕事を任されるように。
ジョジョの母親は実は反ナチスで息子のヒトラーへの傾倒ぶりに悩みつつも
そっと見守って愛や世界の美しさに気づくことを願っている。
この母親をスカーレット・ヨハンソンが演じていてカッコいい!
思わず見惚れてしまいます。
ユダヤ人の少女を匿っていたのも母親。
ジョジョに説教をする友人?アドルフ。
このヒトラーを映画監督が自ら演じているのだとか。
監督自身がユダヤ系ということでびっくりしました。
洗脳教育からユダヤ人を怪物のように思っているジョジョは少女エルサとの交流から
少しずつ変化していきます。
でも、くすっと笑ったり、ほのぼのしたりと油断していると、いきなりガツンと・・・
戦争というものを突き付けられてつらい場面が。
この監督、巧みですね。小道具の使い方、あぁそうかと。
そしてファンタジックな色合いがどんどん終盤グレーに染まっていく。
ジョジョは気づいていくのです。
もう何というか、登場人物、愛すべきキャラクターばかり。
主人公ジョジョ、ウサギみたいで可愛いです。
最高の母親、聡明な少女。
片目の大尉・・・この人もナチス内で苦悩していたのね。
ジョジョのリアル友、ぽっちゃり少年ヨーキーも可愛い!
気づいて少し大人になったジョジョのラストシーンにかかる曲。
もう、これずるい。
涙腺が・・・!
ナチスやヒトラーを扱う映画は難しくもあり、批判もあるかと思いますが
こんな描き方もあるんだなと、私は観て良かったです。
数年前の映画「ライフ・イズ・ビューティフル」をちょっと思い出しました。
子供は守るべき存在、純粋であるゆえ大人は間違ってはいけない。
世界が危うい方向に向かい、ヘイトの問題もある今、こんな映画は必要だなと。
自由に踊れる世界がいつまでも続くために。
